2015年7月2日木曜日

【輝く処方箋】石川県建設業協会会長・北川義信「建設産業規模は一定水準で確保」

--地域建設業、「現場」の現状は

 「公共投資の下げ止まりに伴い、諸問題が顕在化する中、建設企業はこれまでの受注ありきの方針を変更し、利益確保を目標に、現場での施工体制も変化させた。1つは安全対策の充実。もう1点は利益確保のための対応で、サービス工事の撲滅、発注者との良好な関係構築、不利な変更の撲滅、設計漏れの防止と適正な単価設定、赤字工事の防止に注力している」

 「この3年間で落札率が5-6%上昇し、工事粗利も1桁台から2桁に増えたという、県内の直轄工事受注企業のデータが手元にある。この間に実施された労務単価と低入札価格調査基準の引き上げ、品確法の改正などの施策効果もあって実際に収益が改善されたとみることができる」

--今後、ICT(情報通信技術)化や維持・補修市場の拡大への対応が不可避となる

 「担い手(技術者・技能者)不足は深刻で、各社とも女子の採用や土木系以外の採用も視野に入れ、担い手対策に懸命だ。ICT化も人手不足解消に効果的だが、時間とお金がかかる。何よりも今後の公共市場が安定的にどのくらいのパイとなるのか不透明なことが最大のネックだ。設備投資や経営規模拡大に踏み出せない」

--現場に活力と輝きを取り戻すには

 「労働生産性の向上と処遇の改善がキーワードだ。収益を上げ、働く人の待遇を良くしていくということだが、公共事業への依存度が大きい地域建設業では、建設産業政策とリンクした発注制度の整備がその前提となる。さし当たって、市場実態との乖離(かいり)を埋めるため、低入札価格調査基準と労務単価のさらなる引き上げ、歩掛かりの改正が急務だ」
 「十数年前に公共投資が減少し始めて以降、建設産業行政は建設市場が過剰供給であるとして、その構造の是正に向けた施策を展開してきたが、結果的には企業数の減少というよりも個別企業のスリム化、疲弊という事態に帰着し、それが今、災害対応力や除雪力の劣化としてツケが回ってきている。本来、国土を一定の水準で整備・維持していくために行われる公共投資は経済情勢に左右されることなく行われるべきであり、それに必要な建設産業の規模もまた一定の水準で確保されていなければならない」
 「それは企業数ではなく、全体としての労働力や建設機械の規模ではないか。最低限必要とされるインフラの整備水準が決まっているのであれば、供給側の規模の水準、目安も明示されてしかるべきだ。そうすれば企業としても生産性や労働者の処遇という問題への対処の仕方を具体的に出すことができる」
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