2015年7月1日水曜日

【輝く処方箋】水資源機構理事長・甲村謙友「機械化で労働生産性向上」

--水インフラを支える水資源機構の事業展開から

 「『安全で良質な水を安定して安くお届けする』という経営理念に基づき、ダムの機能保全計画を策定し、老朽化とともに耐震性強化も含めた対策を進めている。また、送水ルートの複数化といったリダンダンシーの確保を強めていく。ダムのあり方については、需要と供給の両面から考えなければいけない。特に豪雨など雨の降り方が大きく変わってきている。2013年9月の台風18号は、大雨特別警報が全国で初めて出たケース。日吉ダムなど淀川水系のダムの洪水調節で土木学会技術賞を受賞した。今後、こうした雨の降り方や川の流量の変化など、気候変動への対応を計画段階からどう落とし込んでいくかが課題となる」

--そうした状況を踏まえて、活力ある現場にするには

 「建設業も高齢化が進み、退職者が増えて人も足りなくなると言われている。他産業も含め日本全体で生産年齢人口が減る中で、建設業では新しい人材の確保とともに、労働生産性を上げていかなくてはならない。さらに、若者離れの原因の1つとして、昔から言われる『3K』。そうした仕事を、できるだけ、ICT(情報通信技術)を活用して機械化する。労働生産性を上げるとともに、現場の技術者が技術者らしい仕事をできるようにしていかなくてはいけない。安全性を高め、環境を改善して、現場に魅力を持たせることが重要だ」

--そのほか、現場に輝きを取り戻すためには

 「まず、前提になるのが、必要な公共投資を安定的に確保していくこと。その上で、将来的な展望が持てる産業にすることが重要だ。新しい技術や工法を積極的に採用していくことも必要となる。若い人たちと、新しい試みについて議論や検討を重ねながら新たな付加価値を生み出していくことが現場の活性化につながる」
 「ダイバーシティの観点から、女性が長く勤められる職場環境づくりも重要だ。さらに、仕事には『面白い』ということも大切。“遊び心”を持てるようにすることも必要だ。そうした余裕というか幅を持たせることが現場に活力を生み出す。例えば、ダムも本来の機能をきちんと兼ね備えた上で、観光的な付加価値を見いだすことによって地域の活性化にもつながっていく」
 「優れた土木構造物は、『用』『強』『美』の3要素を備えていることが条件と言われている。『用』は機能、『強』は強度、そして見栄えとなる『美』が重要になる。単に美しいというだけではなく、周囲環境とも調和していること。そうした『土木の3要素』を改めて問い直して生かしていくことも大切だ」
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