2015年7月1日水曜日

【輝く処方箋】日本建設業連合会土木本部副本部長・大田 弘「共通ルールのもと、技術競う」

--日本建設業連合会と各地方整備局などによる「公共工事の諸課題に関する意見交換会」でたびたび現場の疲弊に警鐘を鳴らしてきた
 「市場原理が働くため、当然、競争は起きる。だがその結果、10数年にわたり高い壁を自らに課し、挑戦し続けた結果、ゼネコンも協力会社も、前向きな気持ちが劣化した。あわせて、請負責任という名の『自己責任』で受注者がすべてのリスクを取る状況があまりにも長く続いた。その結果、協力会社を含めた受注者側が疲弊した」

--現在は状況が変わったか

 「5年間、意見交換会を通じて『パートナー』というキーワードでお互いの要望をぶつけ合ってきた。担い手3法が成立し、最後の仕上げとして受発注者双方が担い手確保に対して責任を負うという好循環が始まった。最前線の現場における生産スタイルは改善に向かっている。疲労感のあった現場にも少しは希望が出てきたのではないか。これから担い手3法の理念の輪を自治体やほかの発注者にも広げ、魂を入れ、需要が増減しても、共通ルールのもとで各社が技術を競う形に向かう必要がある。今後、再び市場環境が変わる時のことを考えれば、いまのうちに共通ルールを焼き付けておかなければならない」

--目指す現場の姿は

 「『爽やかな現場』と言ってきた。共通のルールをもとに、けんかや駆け引きでなく、常日頃から発注者とコミュニケーションを取って問題の解決策を探る。黙っていても理解してもらえるという姿ではなく、言葉に発して、双方が技術力をフルに発揮できる流れが必要だ。現場は不確定要素が多く辛いものだが、合理的に、受発注者対等な立場で、施工エンジニアとしての力を発揮する。そういう世界にならなければならない」

--いまの良い流れを継続させるためには何が必要か

 「これまで景気刺激策として公共事業を使ってきた。フローとして話をしてきた。本来は、公共インフラがどうあるべきかを考えるべきだ。その意味では、国交省によるストック効果を全面に出したキャンペーンを歓迎したい。本質的な話として、産業力の基盤強化のための第二国土軸を形成するなど、国土のあり方を産官学で議論してあるべき姿を提示し、具体的に展開すべきだ。景気対策としての公共工事ではなく、国土のあり方としての公共インフラを議論すれば、公共投資の変動幅も小さくなり、市場が安定して企業戦略を立てられるようになる」
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