2015年6月30日火曜日

【輝く処方箋】日本建設業連合会副会長建築本部副本部長・宮下正裕「担い手確保へ覚悟を持って」


 --担い手確保に向けた日本建設業連合会の取り組みは

 「日建連では、2014年4月にまとめた『建設技能労働者の人材確保・育成に関する提言』で技能労働者の年収目標を示した。3月にまとめた『長期ビジョン』では、団塊の世代の大量離職が到来することを踏まえ、労務賃金や重層構造の改善、社会保険の加入促進、労働環境の改善、女性の活躍拡大などを進める必要性を示した。覚悟を持って、施策を進める必要がある。女性の活躍拡大という面では、建設産業が男性中心で、女性が働く環境にないことが課題だ。女性が働きやすい環境をつくらなければ、人材確保という意味で、ほかの産業との競争力を失う。日建連では、会員企業の技術系女性社員比率と女性管理職、女性技能労働者数を5年で倍増するという目標を立て、取り組んでいる」

--就労環境改善については

 「長期ビジョンでは、担い手確保に向けて『4週8休』を実施する重要性を示した。特に若者や女性にとって、家族と過ごす時間を大切にする傾向も強くなっている中で、休日の問題は大きい。各企業単位の問題でもあるが、全体として実施できる構造をつくらなければならない。最も大きな課題は工期であり、発注者への協力もお願いしなければならない」
 「やはり就労環境改善のベースは、適正価格と適正工期だ。日建連では、民間工事における適正価格、適正工期、適正な受注条件による契約について決議している。いまが、前向きなことを考えるための好機だ。協力会社も含めた業界全体として一体で進めることが最も重要だ」

--生産性向上の意義は

 「大量離職を見据えれば、新規入職者確保の一方で、生産性向上という手段も図らなければならない。その中で、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)が中心的課題だ。特に配管などの干渉確認や施工手順の周知などで効果が高く、まずは生産現場で十分、導入を進めれば良い。もっと普及すれば、産業全体の働き方、仕事の仕方そのものが変わる可能性がある。働く環境の改善のためにBIMを活用する、という指向性を持たなければならない」

--就労環境の改善には、需要の安定も不可欠だが

 「需要の安定のためには、国のグランドデザインを考え、長期を見据えた議論が必要だ。例えば建築では、スマートシティやスマートコミュニティなど新しいまちのあり方を、われわれ業界側が提案すべきだ。まちのストックそのものを良質なものとして残していくことを提言し、それを元に需要ができるのが良い姿だ。そのためには、建設業の技術力で顧客のニーズに対応できなければならない」
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿