2015年5月18日月曜日

【プレーヤーの動き】設備 総合サービスへグループ再編

◆資産運用で最適化提案、建物のライフサイクル担う
 インフラや建物の長寿命化への需要の高まりを受け、設備業界でも施設の運用・維持管理を取り込み企画・設計、施工と一体的に担おうとする動きが顕著になっている。特にグループ企業を再編して事業に当たる姿勢も目立ってきた。空調設備では、高砂熱学工業と新菱冷熱工業がこの1年の間にグループ企業の再編に踏み切り、総合的なサービスを武器にしつつある。

 高砂熱学工業は、昨年3月に丸誠を完全子会社化し、子会社だった高砂エンジニアリングサービスと合併させることを決めた。同10月には新会社・高砂丸誠エンジニアリングサービスが発足。企画・設計から施工、管理、保守・メンテナンス、リニューアルに至る設備のライフサイクル全般を、グループとして担える体制が確立した。高砂エンジニアリングサービスが担ってきた高度な設備運用サービスと、丸誠が提供してきたきめ細かい管理サービスを融合し、事業を担う。
 新会社の渋谷正道社長は、日刊建設通信新聞社などとの就任時の取材に対し「高砂グループのバリューチェーン構築の中核を担い、ワンストップサービスの実現を目指したい。プロジェクト・マネジメント(PM)やファシリティ・マネジメント(FM)も展開したい」と抱負を語った。売上目標としては初年度を208億円とし、3年後には245億円を目指す。
 一方、新菱冷熱工業は4月1日から、グループ内のサービスやメンテナンス関連事業を担う体制を整備した。リニューアル工事や保守管理サービスを展開する新菱テクニカルサービスと、首都圏を中心に設備の新築やリニューアル、メンテナンスを手掛ける関東冷機を合併させた。
 新菱テクニカルサービスは、昨年4月にグループ会社5社を合併し、サービス・メンテナンス事業の強化に乗り出していた。そこに関東冷機を融合させ、設備の新築から改修まで一括して最適なソリューションサービスを提供できる体制にしていく。顧客の建物や資産の運用で最適化を提案できるようにし、リニューアルとメンテナンスで相乗効果を生む形をとる。
 新会社の初年度となる15年9月期は受注額50億円を目標とし、17年9月期は73億円まで引き上げる。現段階で名古屋や関西、広島に拠点を設けており、今後は九州や東北などエリアを拡大させて展開する方針だ。
 加賀美猛社長は新年に当たり「関連会社の城口研究所や大栄電気とも連携して体制を強化したい」とも述べており、グループ企業との連携をさらに強める姿勢もある。

◆他分野とシナジー、業態拡大
 こうした動きは空調設備業界にとどまらない。電気通信業界でも、協和エクシオがグループ企業の再編を進めている。グループ内で施工体制の共有やノウハウの融合を進め、顧客満足度の向上や生産性の向上、新規事業の拡大に資源を集中させる。間接部門や資機材に関するコストを抑える効果も期待する。
 具体的には、7月1日付で100%子会社の和興エンジニアリングと池野通建を合併、新会社「エクシオテック」を発足させる。グループの成長事業に位置付けているソリューション事業への注力や、モバイル系通信設備の施工体制の確立を目指す。施工能力や提案力を強化し、利益の拡大を目指す。
 さらに、グループ会社の協和シナックス、大東工業、新協エンジニアリングの3社を同日に合併させ、新会社「エクシオネットワーク」を設立する。各社のシナジー効果を生みながら、工事品質の向上、全国規模での事業展開などを進める。
 電気通信設備業界でも、老朽化したインフラの点検業務などに通信設備が生かせる余地があり、土木系との連携を強める姿勢もみられる。グループ内の再編では施工体制の確保やコスト削減といった側面もあるが、他分野とシナジーを生み、業態拡大のチャンスととらえる姿勢も垣間見える。
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